提案書づくりを「相談するだけ」に。社内に残る提案書作成基盤
AIと相談しながら、提案書や構想資料のたたき台を自動で組み立てます。これまで使ってきたパワーポイントの体裁はそのまま引き継ぎ、お客様の機密情報は国内に保管。担当者ごとにバラついていた品質をそろえ、提案書1本にかかる時間を大きく短縮します。

背景・課題
中堅コンサルファームの提案書づくりには、業界に共通した悩みがあります(想定読者像に基づく抽象化であり、特定個社の供述ではありません)。
- 提案書づくりが属人化している: 過去資料を探し、貼り付け、体裁を整える作業に1案件あたり長い時間がかかり、ベテランの知見が個人にとどまる。
- 品質にバラつきが出る: 部署や担当者ごとに資料のつくり方や論理の組み立て方が違い、ファームとしての品質をそろえにくい。
- 生成AIを安心して使えない: 一般的なチャットAIや海外サービスにお客様の機密情報を入力すると、情報が国外に出たり、AIの学習に使われたりするリスクがある。
- 外注頼みでノウハウが残らない: 制作を外に出すと社内に知見が蓄積されず、直したいたびに費用と時間がかかる。
アプローチ ― FDE × AI駆動開発
AI-Path は「現場に入り込む専任エンジニア(FDE)」が、お客様の業務の中に入って一緒に課題を解きほぐし、AIを活用して短期間で形にする進め方をとります。本基盤も、この方法で構築しました。
- これまでの資料を「捨てない」: ゼロから作り直すのではなく、お客様が使ってきたパワーポイントの体裁(ロゴ・色・レイアウト)をそのまま引き継ぐ設計。現場の抵抗が小さく、移行がスムーズ。
- AIと相談しながら一緒に決める: チャットで指示するとAIが複数の案を並べて提示し、選んだ案を資料に反映。この「相談して選ぶ」流れで人とAIが協働。
- 品質をAIがチェック: 内容に応じて役割の異なる複数のAIが分担し、「タイトルだけ読んでストーリーが通るか」「説明に抜け漏れがないか」を確認。
- 小さく刻んで、最後までやり切る: 大きな機能も小さな単位に分けて着実に積み上げ、途中で止めずに本番品質まで仕上げる開発規律を徹底。
ソリューション
コンサルの提案書づくりの流れ全体をカバーする「相談しながらスライドを自動作成する基盤」を構築しました。主な機能は次のとおりです。
- これまでのテンプレートを取り込む ― 使ってきたパワーポイントのロゴ・色・レイアウトを読み取り、そのまま引き継ぐ。
- 相談しながらスライドを作る ― 左で相談、中央でプレビュー、右でAIの作業状況を確認。普通の言葉で指示するだけでスライドができる。
- 複数案から選んで反映 ― AIが案を並べて提示し、選んだ案を資料に反映する流れを繰り返す。
- 根拠データを出典付きで添える ― 提案を裏づけるデータを出典つきで取り込み、説得力を高める。
- 表からグラフ、そしてスライドへ ― エクセルの表データから自動でグラフを作り、スライドに反映。
- 図版・カバー画像をAIで生成 ― 表紙やイラスト、アイコンをAIで作成。
- 手元のファイルを直接編集 ― お手元のパワーポイント(.pptx)を、開発支援ツール経由でそのまま編集できる。
- 複数人で同時に編集 ― 外部サービスに頼らず、自社のしくみで複数人の同時編集を実現。
- 会社の見た目ルールを自動適用 ― 会社ごとのロゴ・色・フォントを資料に自動でそろえる。
- 論理の通りをAIが点検 ― 提案の筋道に抜け漏れがないかをAIが確認し、最大3回まで自動で直す。
- パワーポイント並みの編集機能 ― 図形・表・グラフ・アニメーション・発表者ビューなど、パワーポイント相当の編集をブラウザ上で行える。
できあがったスライドは、元の体裁・フォントを引き継いだままパワーポイント形式で書き出せ、そのまま開いて編集できます。
利用サービス
- 現場伴走型のAI高速開発(要件定義から本番まで)
- 相談しながらスライドを自動作成する基盤の設計・構築
- これまでのテンプレート資産の引き継ぎ・移行
- セキュリティ/ガバナンス設計(国内保管・利用者ごとの権限分離)
- 内製化支援・ノウハウ移転
技術・アーキテクチャ
技術の中身は意識せずに使える、堅牢でスケールする基盤です。
- 堅牢でスケールする構成: 役割ごとに部品を分けて組み上げており、利用が増えても無理なく拡張できる。一部に不具合が出ても全体が止まりにくい設計。
- 複数人で同時に編集できる: 同じ資料を複数人が同時に開いて編集しても、変更がぶつからずに反映される(このしくみも外部サービスに頼らず自社で用意)。
- 複数のAIを適材適所で使い分け: 内容に応じて最適なAIを自動で選んで使い分け、いざというときは別のAIに切り替えて処理を続ける。特定のAI会社に縛られない。
(技術名の詳細は tech_stack に集約しています。)
セキュリティ・ガバナンス
エンタープライズで最も気になる「情報漏洩」と「データの国外流出」に、設計で正面から応えています。
- データは国内に保管: お客様の情報は国内のサーバーに保管する設計。海外に出さないので安心。
- 会社ごとにデータを隔離: 別の会社のデータが見えてしまうことがないよう、利用者ごとに見えるデータを自動で制限するしくみ(RLS)で仕切る。
- 特に機密性の高い資料は別扱い: 機密と指定した資料は、一般的なAI経路を通さず、国内の契約済みAIだけで処理する設計。
- 入力データはAIの学習に使わせない: 「学習に使わない」契約を結んだAIだけを利用。
- 操作履歴がすべて自動で残る: 作成・編集・出力・共有といった操作の履歴を自動で記録。過去のバージョンも残し、データは原則として消さずに保持する。
- 資格情報を安全に管理: パスワードや鍵を資料・コードに直接書かず安全な場所で管理。鍵はいつでも無効化・差し替えができる新しい方式を採用。
(具体的なキー値・接続文字列・プロジェクト識別子は本事例に一切記載していません。)
成果 ― 定量
成果 ― 定性
現場伴走型の開発と「相談しながら作る基盤」の組み合わせにより、想定される変化は次のとおりです(特定個社からの供述ではありません)。
- これまでの提案書テンプレートを捨てずに活かせるため、現場の抵抗が小さく移行がスムーズ。
- 論理の通りをAIが点検するため、提案書の品質をファーム標準にそろえやすい。
- データを国内に保管する設計のため、お客様の機密を扱う案件でも生成AIを安心して使える。
- 社内に残る基盤なので、直したいたびに外注に戻る「ベンダー依存」の不安が小さい。
想定導入効果(年商100億円規模での試算モデル)
※実測値ではなく試算です。クライアント側で測定した実績値ではありません。
- 提案書作成時間: 約60〜80%削減(試算)。仕様書の「1案件10〜20時間→2〜4時間」モデルに基づく。
- 1案件あたりの制作時間: 10〜20時間→2〜4時間(試算)。
- 提案書の品質ばらつき: AIによる論理点検と会社ルールの自動適用により、ファーム標準への準拠率向上(試算)。
- 生成AI起因の情報トラブル: 国内保管・会社ごとのデータ隔離・機密資料の別扱いにより、リスクを構造的に最小化(試算)。
- ノウハウの再利用: 過去資料のビジュアル資産を自動で整理・再利用できるため、使うほど蓄積が活きる(試算)。
内製化・運用・今後
- 社内に残る基盤として納品: 外部サービスへの過度な依存を避け、複数人同時編集のしくみも自社で用意。運用コストと「特定サービス頼み」のリスクを抑える。
- これまでの資産をそのまま活用: 既存のパワーポイントを引き継ぐ設計のため、社内のデザイン標準を作り直さずに移行できる。
- AIを柔軟に切り替えられる: コスト・性能・コンプライアンス要件に応じて使うAIを切り替え可能。特定のAI会社に縛られない。
- 品質を保ち続けるしくみ: 自動テストと公開前の自動チェックで、機能を追加しても品質が落ちないよう運用する。
- 今後の展開(想定): 業界別のひな型を増やし、過去資料の蓄積と社内ナレッジ連携を深めることで、使うほど提案品質が上がるしくみへ。
これまで使ってきたテンプレートを捨てずに活かせること、そしてお客様の機密を国内に保管したまま生成AIを使えること――この2つを設計の最優先に置きました。提案書づくりは、コンサルが頭の中で組み立てた「話の筋道」そのものに価値があります。私たちは現場に入り込み、その筋道を壊さずにAIへ橋渡しし、個人にとどまっていたノウハウをチームの資産に変えることを目指しました。スピードと品質、そして安心を同時に満たす「社内に残る基盤」を、お客様の現場に寄り添って作り上げています。
― AI-Path|本プロジェクト担当FDE